茨城県立歴史館見学記2

 雨の中、友人と茨城県内を回った。タイトルは『常陸平氏』、サブタイトルは「将門・清盛につながる一族」である。企画展示室の半分を使っている。大きく常陸平氏の成立、家ごと、近世に分かれる。常陸における平氏は平将門が有名であるが、中世以降は将門の親の兄の孫である平維幹から始まる。雷電山経塚遺物、日向廃寺出土資料などが出ている。維幹の直系は多気氏を名乗った。その別れが常陸各地に割拠した。吉田氏、大掾氏、東条氏、真壁氏等である。島﨑長国像、鳥名木氏所用兜、鹿島憲幹寄進状などが出ている。十六世紀に佐竹氏が勢力を伸ばすと多くの常陸平氏は没落した。残った家は大名の家臣や帰農して江戸期を生きた。伝真壁充幹像、陣羽織、佐竹義重所用具足などが出ている。史資料の少ない中世の国衆、在地領主を取り上げた企画であった。文書の釈文が無いのは不便であった。刊行物は32ページの冊子と出陳一覧がある。冊子は図録というより歴史の概説書となっている。企画展示室の残り半分では『くらしの中にあった戦争』、一橋徳川家記念室では『徳川治済』も開かれている。

2025年4月26日から6月22日まで開催

2025年5月10日見学

2025年5月17日記

画像は冊子の表紙。