今年三月のリニューアル後初めての見学である。タイトルは『安土城・2025』、サブタイトルは「信長の夢のあと」である。安土城築城450年・発掘調査85周年記念である。安土城の廃城後の歴史および現在までの発掘整備を取り上げている。企画展図録と第2常設展示室を使っている。順番は第2常設展示室のテーマ1近世・近代の安土山からである。近世では摠見寺関連史料を中心として安土山下町中掟書、豊臣秀吉朱印状、織田信長画像などが出ている。近代の保存については主に安土保勝会関連の資料が出ている。次の企画展示室がメインであり、テーマ2安土城の調査整備となる。昭和から平成までの調査で出土した遺物がずらりと並んでいる。瓦、陶磁器、土器など多種多彩である。ただ、天主、大手道などの区域ごとや遺物の種類別の展示が行われてなくまとまりに欠けていた。例えば瓦を一か所に並べるとかの工夫が欲しかった。最後は令和のコーナーとなっている。安土城の発掘成果は断続的に情報が発信されているが、近世近代の立ち位置、保存についてまとめているのは参考になった。
第1常設展示室はCG映像上映のシアターとなり、リニューアル前の弥生時代、古墳時代などの展示は一つもない。第2常設展示室も企画展以外を少し変えている。実質安土城に特化した博物館となっている。刊行物は図録と展示資料一覧、文書釈文がある。図録には発掘整備の写真、図面が多く載っている。第1常設展示室で展示されていた遺物類をどうするかはまだ決まっていないらしい。
2025年4月26日から6月15日まで開催
2025年5月17日見学
2025年5月24日記