刈谷市の次は碧南市である。タイトルは『長田・永井一族』、永井直勝没後400年の展示である。3部屋を使い、総計81件で構成されている。江戸初期に大名になった直勝の系統である永井家と、その出であり地元に残った長田家を取り上げている。第一章は永井直勝と中世の長田家についての展示である。在地領主の長田家に関しては松平広忠判物、今川義元判物などが出ている。直勝は松平宗家の家臣になったことから運が開けた。直勝肖像、徳川三将図などが出ている。第二章は近世の両家についてである。地元に残った長田家は熊野権現の神主を務めた。領知朱印状、熊野権現領絵図などが出ている。永井家は直勝の後、大和櫛羅藩、摂津高槻藩、美濃加納藩の3つの大名となり幕末まで続いた。加納藩家中図、高槻城絵図などが展示されている。特設コーナーとして長田白アキラ古絵図コレクションが一部屋を占めている。国絵図、城絵図など22点が並んでいる。刊行物は図録と出品目録がある。美術館らしく『花』、『奥谷秋夫コレクション』の絵画展も開かれていた。
この館は藤井達吉現代美術館というぐらいなので達吉を中心とした近代以降の絵画がメインとなっている。ただ、今回のように歴史関連の展示も開催している。名古屋鉄道三河線碧南市駅から徒歩6分と近い。周囲には大浜てらまちと呼ばれる程寺社が多く、大名水野氏の役所である大浜陣屋址にも歩いていける。
2025年5月24日から7月6日まで開催
2025年5月31日見学
2025年6月7日記