四月後半から春の展示会シーズンに入る。その前の久しぶりの見学記である。タイトルは『平泉から鎌倉へ』、サブタイトルは「兵どもが夢の先」である。文治五年(1189)の源頼朝の奥州攻めで滅んだ平泉の文化が鎌倉に与えた影響を取り上げている。平泉の中尊寺、柳之御所遺跡、志羅山遺跡などおよび関連する長者ヶ原廃寺跡、白鳥館遺跡からの出土遺物が並んでいる。それらに対するように鎌倉では永福寺跡を主とした出土遺物が出ている。両方から出た白磁四耳壺を対比させているが、同様の例をもっと見たかった。出土遺物以外では後三年合戦絵巻、源義経公東下り絵巻などが展示されている。平泉以外の地で平泉の出土品を見れる稀な機会であった。ただ、永福寺建立以外にどのような影響があったのかはよく分からなかった。刊行物は12ページのリーフレットと出品目録がある。リーフレットは歴史の解説が主となっている。蛇足だが出品目録の活字の小ささには困った。
2025年3月15日から6月21日まで開催
2025年4月19日見学
2025年4月27日記