友人と山梨県へ行った。今回のタイトルはずばり『武田勝頼』、サブタイトルは「日本に隠れなき弓取」である。開館20周年記念である。勝頼を主役にした展示は初めてかもしれない。計111件の展示数である。第一章は諏方の子から武田家家督へである。本来なら高遠諏方氏の当主で終わった人生が思いもよらず信玄の跡継ぎとなった。諏方勝頼判物は勝頼名での初めての文書である。他に武田信玄像、紅糸威最上胴丸などが出ている。第二章は信玄の遺言であり、信玄没後の状況を武田家朱印状、織田信長書状などで説明している。勝頼は多くの合戦をしたが、中でも最大のものが第三章の長篠合戦である。長篠合戦場図、武田信玄陣立書などが出ている。次が第四章の新たな体制へである。敗れたとはいえ体制そのものは立て直しに成功した。武田勝頼判物、同じく禁制などが出ている。次の第五章は新府築城であり、最後の居城である新府城を取り上げている。韮崎城図を含む城図4点が並んでいる。新府城跡出土品、隠岐殿遺跡出土品も展示されている。第六章は滅亡への道である。勝頼自刃前後の状況を紹介している。時代の波に飲み込まれたとしか言いようのない最後であった。武田勝頼夫人願文、快川紹喜像などが出ている。エピローグの勝頼を偲んででは武田勝頼妻子像や珍しい武田勝頼二十四将図などが出ている。
全国から史資料を集めており、初めて見るものも多かった。勝頼発給文書も多数あるのは参考になった。甲斐や隣接国ばかりでなく、全国各地にも影響を与えた戦国大名であった。最新の勝頼に関する最新の研究成果が良く分かる展示であり、再評価が進むことを期待したい。刊行物は図録と出品リストがある。見学後、友人と景徳院(甲州市)にある武田勝頼、夫人、子の信勝の墓にお参りをした。
2025年3月15日から5月6日まで開催
2025年3月20日見学
2025年3月27日記