国分寺市に所在するこの館は2020年に世田谷区内から移ってきた。タイトルは『旗本のライフスタイル』、サブタイトルは「家と仕事と私」である。企画展示室の床面に900石取りの大久保九郎兵衛屋敷絵図が描かれている。4章からなり、第一章は旗本とはなにか?である。旗本の概略を説明している。寛政重修諸家譜、武鑑などが出ている。第二章は旗本の仕事である。新見家、曲淵家を取り上げ、明細短冊、日記などが展示されている。視聴草に載っている目付10名の肖像は良く特徴を捉えている。第三章は旗本のくらしである。格式や家計の紹介である。寛政十年(1798)段階で5158名いた。いわゆる3000石以上の大身の旗本は5%であり、100石から999石までが77、2%を占め中核となる。最後の第四章は旗本の墓である。旗本寺として長龍寺、湖雲寺を紹介している。副葬品として土人形、六文銭や長龍寺墓地址出土の甕棺(十九世紀)などが並んでいる。旗本の全体像が分かるような展示であった。刊行物は24ページのリーフレットが無料で配られている。なお、常設展示室内では『都制施行80周年』展が開かれている。
公文書館は二つの展示室の他に閲覧室がある。JR中央線西国分寺駅から徒歩8分である。すぐ隣に都立多摩図書館がある。少し足を延ばせば武蔵国分寺址、武蔵国分尼寺址、東山道武蔵路址などが点在している。
2023年7月21日から9月14日まで開催
2023年7月28日見学
2023年8月4日記