はだの歴史博物館見学記

 小田原市へ行く途中に秦野市に寄った。タイトルは『鎌倉時代の秦野』である。テレビに影響した企画である。この館には企画展示室が大小2つあり、今回は小さな方でテーマ展のような感じであった。見学記もどうかなと思ったが、秋の展示シーズンも終わりに近づいているので記すことにした。波多野氏の館址である東田原中丸遺跡の出土遺物の白かわらけ、青磁、国産陶器などが出ている。十三世紀のものである。もう一つ波多野城址の遺物もある。但し、中世の青磁、白磁などは出土しているが縄文から近世の複合遺跡であり、城であったという確証はない。伝波多野城址とすべきであろう。他に実物は江戸、明治の浮世絵が1点づつある。あとは波多野氏と源実朝(首塚が東田原にある)に関する事柄をパネルで紹介している。展示室前に源実朝木像があり、これも今回の展示に含まれる。刊行物は10ページのリーフレット(概説書)と、関連した『平安・鎌倉時代の波多野と波多野氏』の題した8ページのリーフレットが無料で配られている。

 博物館は桜土手古墳公園の一画にある。前身は古代を専門とする桜土手古墳展示館であり、2020年にリニューアルした。秦野市の通史を紹介する常設展示室があるが、時代を代表するテーマ中心なので今一つまとまりがない。公園は六世紀から八世紀の古墳が6基残り、復元古墳も1基ある。小田急電鉄小田原線渋沢駅から徒歩20分である。バス便は秦野駅からの方が便利である。

2022年10月8日から12月25日まで

2022年11月19日見学

2022年11月27日記

画像は『はだの歴史博物館ニュース7』から。