明治大学博物館見学記3

 いよいよ秋の展示会シーズンである。この館は年に数回行っているが、見学記はやっと3回目である。タイトルは『新しいお殿様』、サブタイトルは「所替・その後」である。延享四年(1747)に陸奥平藩内藤家が日向延岡藩へ転封した時を中心として内藤家のことを取り上げている。計51種からなり、この館が所有する内藤家文書(約5万点)が大多数を占める。内藤家文書の展示は何度か行われているが、今回のが一番規模が大きい。まず譜代大名である内藤家の歴史から始まる。天正十八年(1590)内藤家長は二万石で上総佐貫城主となる。家長が慶長五年(1600)伏見城の戦いで戦死した後、この政長は数度加増され元和八年(1622)七万石の平城主となった。関原合戦画巻、肖像画などが出ている。延享四年の所替は延岡藩牧野家、笠間藩井上家とのいわゆる三方領地替である。所替は藩主も苦労したが、家臣もついていく者、平に残る者など急なことで大変な苦労であった。東北から九州までの長距離でありひと月半かかり、費用もばかにならなかった。解雇された郷士レベルの家臣もおり、延岡で新規に雇用された郷士レベルの家臣も多かった。徳川家重朱印状、約8mの日本東西道中画などが並んでいる。続いて延岡へ移った後の統治、町村の展示となる。延岡領村絵図、町中掟書などが出ている。展示の最後は岩城平城図、延岡御白附絵図である。常設展示室では内藤家文書関連のコラム展『桜田門外の変と延岡藩』も開かれている。刊行物は図録と出展品一覧がある。図録には旧内藤邸写真が資料編として載っている。

2022年10月14日から12月14日まで開催

2022年10月18見学

2022年10月26日記