この館は二度目の見学である。タイトルは『明治天皇幸手行在所』、サブタイトルは「中村家の資料」である。常設展示室の一画を使った展示なのでわざわざ見に行くまでもないと思ったが、訳があって出かけて行った。明治十四年(1881)と明治二十九年(1896)の明治天皇の行幸時に中村家に延4日間宿泊した。その時に下賜された御紋散三ツ組盃や茶碗、行在所建札、机などが出ている。他に標識用の原稿(田中光顕書)、資料集『明治天皇幸手行在所』等も並んでいる。一つの行在所に焦点を絞ったのがよかった。刊行物はコピーのリーフレットがある。
資料館は幸手市の通史を展示した歴史展示室と民俗資料展示室(元中学校校舎を利用)がある。交通は東武鉄道伊勢崎線東武動物公園駅からバス便がある。同じ市内なのに幸手駅からバスで行けないのは不便である。
今回の展示は近代の皇室と埼玉県の東部のテーマのもと、メイン会場が春日部、サテライト会場が6ヶ所で開かれた(以下は見学時の刊行物)。
1、春日部市郷土資料館『明治天皇と春日部』図録、資料一覧あり
2、越谷市旧中村家住宅『越谷への行幸・行啓と埼玉鴨場』リーフレットあり
3、草加市歴史民俗資料館『明治天皇草加行在所』無し
4、八潮市立資料館『八潮の御鷹場・御猟場』資料目録あり
5、久喜市立郷土資料館『明治天皇と久喜』無し
6、杉戸町南公民館『明治天皇行幸と杉戸』リーフレットあり
7、幸手市郷土資料館『明治天皇幸手行在所』リーフレットあり
企画展示室を使用しているのは1と5、4と7はコーナー展のよう、2と6はパネル展。3は形だけでがっかりである。1はメイン会場であるが、巡幸以外に御猟場、梅田ごぼうにも言及しておりやや焦点がぼけていた。2と6はパネルのみであるが、リーフレットを作っているのはうれしい。5は専用の企画展示室を使っており一番まとまっていたが、何か刊行物が欲しかった。幸手市以外は7月20日から9月4日までの開催であったが、幸手市のみ9月25日まで開かれていたのでなんとか見れた。スタンプラリーでもやってくれれば制覇なのだが、コロナ下では無理ではあったであろう。
2022年7月20日から9月25日まで開催
2022年9月19日見学
2022年9月27日記