日野市郷土資料館見学記

 この展示もテレビの便乗であろう。タイトルは『鎌倉殿の平山季重』、サブタイトルは「中世日のの武士の様相」である。計32種で構成されているが、大部分は解説パネル、写真パネル、史資料もパネルである。まず、日奉氏とその一族である平山氏のことから始まる。実物では武者名数 本朝英雄鏡が出ている。次に平山氏の中でも著名な平山季重を取り上げている。実物は宇治川大合戦図、源平武者揃などが並んでいる。続いて江戸時代における伝承の中の季重である。木造平山季重坐像、季重の墓などの写真パネルや地誌類のパネルを紹介している。最後のコーナーは平山季重居館址のことである。位置は京王電鉄京王線平山城址公園駅周辺に比定されている。屋敷、出口、小出口、大出口の地名もあり、季重が居たかどうかはともかく平山氏の館としてよいであろう。2007年の発掘では溝、土坑などの遺構が出ており、出土遺物には12世紀後半から13世紀初頭の青磁碗、かわらけ等がある。欲をいえば新補地頭としての平山氏の全国的な展開も知りたかった。刊行物は16ページのリーフレットが無料で配られている。

 資料館は旧高幡台小学校校舎を使用しており、教育センター、公民館も同じ建物に入っている。民俗収蔵展示室、自然収蔵展示室もある。交通は多摩モノレール程久保駅から徒歩7分である。坂道でなおかつ迷路のようなルートなので、初めての人は戸惑うかもしれない。他に京王線高幡不動駅からバスか徒歩20分である。なお、日野市立新選組のふるさと歴史館は別の場所にある。資料館主催の展示を歴史館で行なう場合があるので注意したい。

2022年9月10日から12月4日まで開催

2022年10月8日見学

2022年10月15日記