千葉県文書館見学記2

 文書館の展示は当然古文書が主となり不得手な分野である。以前に房総新藩について調べてことがあるので取り上げたい。タイトルは『房総の廃藩置県』、サブタイトルは「千葉県誕生までの移り変わり」である。明治二年(1869)六月の版籍奉還の後しばらくは藩と県が混ざっていた。明治四年七月廃藩置県によって初めて藩が無くなったが、その時点で全国3府302県があった。千葉県域は24県と一番多かった。それが同年十一月には印旛県、木更津県、新治県の3県に集約されていた。展示は明治元年以降駿河、遠江から移ってきた7つの大名のうち柴山藩を紹介している。また、従来の藩のうち生実藩などを取り上げている。3県になってからも県域は定まらなかった。現在の千葉県の姿になるのは明治八年五月である。わずか6、7年の慌ただしい動きであり、単純に藩から県に移行した訳ではなかった。旧幕府領が多いなど江戸に近い房総の特異性も大きかったと思われる。展示されている多くの古文書から試行錯誤ぶりが分かる。刊行物は無料のリーフレットが配られている。

2021年10月1日から2022年2月26日まで開催

2022年1月19日見学

2022年1月28日記

 

 

 

 

 

 

 

 

リーフレットから