この館(正式には川口市立文化財センター分館 郷土資料館)は伊奈氏、赤山街道、日光御成道などの調査研究に力を入れている今回のタイトルは『伊奈忠治』、サブタイトルは「利根川・荒川を開発した代官」である。父の伊奈忠次の方が著名であるが、次男の忠治も代官として多くの業績を残した(いわゆる関東郡代)。綾瀬川の開発、荒川の西遷、利根川の東遷などである。展示はそれらの他に居所、役所としての赤山陣屋の構築、幕府内の位置付け等から構成されている。パネルを多用し、実物は古文書の他は村絵図2点である。家臣の墓、江戸屋敷の位置、江戸周り関所など細かいところも紹介している。管轄地域は約三十万石といわれ、現在の秩父市、横浜市にも及んでいた。刊行物は図録がなく、展示のタイトル、サブタイトルと同名の38ページのイラストを多用した一般向けの歴史読本が配られている。この本の最後の方に展示資料のダイジェスト版が6ページ載っているが、ちゃんとした図録もあればよいと思った。
2022年1月8日から3月13日まで開催
2022年2月11日見学
2022年2月19日記