友人と山梨県内を回ってきた。今回のタイトルはずばり『甲府城のすべて』、サブタイトルは「石垣と瓦の考古学」である。すべてと言っても歴史や縄張よりもサブタイトルにあるように石垣と瓦に特化した展示となっている。ただ、石垣は持ってこれるはずもなく、パネルでの説明となる。主な展示品は瓦、特に金箔瓦である。まず、岐阜城から始まり、安土城、大坂城、聚楽第、伏見城の金箔瓦が所狭しと並んでいる。総数約90点を数える。中でも大坂城と聚楽第のは多くあり、2府外でこれだけまとまった展示は初めてであろう。次に甲府城の瓦である。今までの発掘で500トンを超える出土量があり城郭瓦の宝庫である。今回は金箔瓦では鯱瓦、鬼瓦、飾瓦など、他の瓦は滴水瓦、軒平瓦などが約50点が展示されている。他には釘隠、輪宝等もある。金箔瓦の展示は過去にも全国の博物館等数ヶ所で行われているが、質量ともに今回が一番と思われる。この展示を契機に甲府城と他の城との金箔瓦研究が進むことを期待したい。そして甲府城についても築城者、築城時期の解明が望まれる。特別展ということで常設展示室を衣替えして使用しており、常設展示は一時配置換えが行われている。刊行物は図録がある。
2021年9月30日から11月23日まで開催
2021年10月10日見学
2021年10月19日記