嵐山史跡の博物館見学記4

 今年初めての見学記である。この館は毎年のごとく行っている。今回は『戦国大名は如何にして軍需を調達したか』という企画展らしくないタイトルである。常設展示室を全て使い、計120点で構成されている。最初は軍を組織するのコーナーである。武具、軍役時の服装、戦果、馬のことなどを、甲冑、馬鎧、鑓等の実物と古文書で紹介している。次は城の備えと兵糧であり、城内備えつけの武具兵糧や城の普請作事を取り上げている。名胡桃城址、太田金山城址、八王子城址から出土した銃弾、砲弾そして八王子城址からの砲弾鋳型もある。また、橋脚木材(岩付城址)、土留め木材(深谷城址)の実物は珍しいものである。竹束(騎西城址)はパネルだったのが残念である。最後のコーナーは軍資金である。黒川金山遺跡の磨石、磨臼、甲府城下町遺跡の鉱滓、羽口などが並んでいる。写真パネルを多用して参考になるが、古文書は原文書が1点もなく全てパネルであった。表舞台に出ない事柄を取り上げており目の付け所はよく、他の展示会で見られないものが出展されていたのはためになった。但し、タイトルは少し長ったらしくサブタイトル向きであった。刊行物は図録と展示資料一覧がある。

2019年11月30日から2020年2月16日まで開催

2020年1月5日見学

2020年1月13日記