神奈川県立歴史博物館見学記2

 タイトルは『真教と時衆』である。内容的には一遍と時宗なのであろうが、時宗二祖上人七百年御遠忌記念と銘打っており、このようなタイトルになった。会場が二ヶ所に分かれており、第一会場が遊行寺宝物館でこちらが第二会場である。宝物館の方を先に見たが(9月22日)、事情があって今回まとめて書くこととする。まず博物館から。最初に一遍上人、真教上人など歴代の肖像画、坐像が並ぶ。二人を一緒に描いた画もあり、別格の存在をうかがわせる。次に阿弥陀三尊像7軀が二ヶ所に分散して置かれている。一般的なものと善光寺式の二種類がある。次は一遍聖絵である。こちらの館では1巻のみの展示である。続けて遊行上人縁起絵が7巻ある。一遍の事績に真教の行状を加えたものである。聖絵との比較が興味深い。他には一遍、新教そして他の上人の所持品も展示している。

 宝物館の方は展示室が1部屋のみであり、かなり窮屈な感じがした。一遍聖絵が主であり遊行上人縁起絵も多く、比べて見るのには適している。これらの絵にかなりの場所をとっており、その他のものとしては真教関連の座像、肖像画、名号などが並んでいた。刊行物は両館共通の図録の他、博物館では出品目録を作っている。

 宝物館は時宗総本山清浄光寺(遊行寺)の中にある。常設展示はなく、企画展のみ限定開館している。JR 東日本藤沢駅からバス5分、又は徒歩だと15分である。東海道藤沢宿の一画にあり、足を延ばせば鎌倉、江の島にも行ける。

2019年10月5日から11月10日まで開催(宝物館は9月7日から)

2019年10月16日見学

2019年10月29日記