ふみの森もてぎ見学記

 友人と栃木県内をいくつか回ったうちの一つを紹介する。『茂木文書の世界』というタイトルである。茂木文書は秋田に移封された佐竹氏に従った茂木家から近代に入って家臣の吉成家に譲られた全86通の文書群である。400年ぶりの里帰りである。大きく前期 鎌倉幕府・建武政権と茂木氏、中期 南北朝内乱の中の茂木氏、後期 鎌倉公方(古河公方)・戦国武将と茂木氏の3期に分かれており、今回は中期を見学した。会期ごとに全て展示替えをする。計21点が出ており、足利直義、尊氏、氏満など足利氏が多く高師冬、上杉能憲等を含めて室町幕府や鎌倉府に於ける茂木氏の位置付けがよく分かる。それぞれに釈文、訳が付いている。特徴的な花押についても解説している。刊行物は図録、展示品目録、早わかりパンフレットがある。図録には茂木文書全てと補遺として流出した茂木文書も載っている。茂木文書はカラーであり、寸法、料紙、形状などのデータも付いており史料集として使える。

 ふみの森もてぎは茂木町まちなか文化交流館 ふみの森もてぎが正式名称である。図書館が主体となっており、その一部屋が歴史資料展示室となっている。真岡鉄道の終点茂木駅から徒歩5分である。茂木城址はそのすぐ北に位置している。

2019年7月13日から2020年1月19日まで開催

2019年10月6日見学

2019年10月13日記