ふじみ野市立大井郷土資料館見学記

秋の展示会シーズンもそろそろ終わりになって、近場の興味のある展示は大体見た。茨城県の某博物館の展示がたいしたことはなかったので、今年の見学記もあと一つ二つで終了のつもりである。今回の『幕末の川越藩とふじみ野』(サブタイトル「激動する村々と舟運・街道」)は行けるかどうか分からなかったので、図録だけでもと思って友人に頼んだ。たまたま時間が空いたので見ることができた。ふじみ野市は2005年に上福岡市と大井町が合併して出来た。ともに江戸時代は川越藩領に属していた。そのため藩の動向にそれぞれの村も多大な影響を受けた。藩だけでなく幕府そして海外の出来事にも連動している。例えば武州一揆では裕福な家が打ちこわしにあったし、品川台場築造には人足が駆り出された。それらに関する十八世紀終わりから十九世紀後半にかけての史資料が展示されている。回漕問屋吉野氏の早船屋文書や川越市から借りてきた川越藩主関連のものなどが目立った。この地では歴史を変えるような大きな事件はなかったが、村人から見た維新史といえるであろう。

資料館は大井図書館と同一の建物にあり、二部屋のみの小さな館である。以前の町立郷土資料館からの名称変更である。今回は企画展示室に収まらず、常設展示室の一部も使っている。東武鉄道東上線ふじみ野駅からバス便がある。徒歩だと25分かかる。

<h3>2017年10月24日から12月10日まで開催</h3>

見学日
2017年12月5日
2017年12月12日