今回は『遺跡から探る中世の低地集落』を見てきた。中世集落なので見学記はパスしようと思ったが、城郭研究にも若干関連するようなので取り上げることにした。中川、荒川沿いの微高地に作られた集落のうち、発掘から成果が出ているいくつかの遺跡を紹介している。展示品のほとんどが遺物である。メインは上千葉遺跡である。多種多様な遺物が出ている。かわらけ、陶磁器等、そして低地の遺跡らしく木製品の漆器、下駄、箸なども豊富である。木札、折敷もある。また、小札も一点展示されていた。他の遺跡は舟渡遺跡、里字屋敷添遺跡群である。前者からの板碑、武具の面頬、後者からの板碑が目立った。最終コーナーは上千葉遺跡の近世の状況であり、十七世紀に一旦廃絶して十八世紀にまた集落が出来たことが分かる。三遺跡から検出された溝の性格が気になった。中世集落をテーマにした良い企画と思うが、集落内の階層差やここで述べられている屋敷の意味などを知りたいところである。24ページの薄い図録が出ている。
博物館は名前の通り歴史と天文の二本立てであり、プラネタリウムも設置されている。歴史は古代から現代までの常設展示である。JR常磐線亀有駅からバスが出ているが、京成電鉄本線お花茶屋駅からでも徒歩8分で着く。
<h3>2017年11月15日から12月17日まで開催</h3>