群馬県立歴史博物館見学記

リニューアル後にグランドオープンしたということでさっそく見に行った。タイトルは『綺羅美耀』である。特別展、企画展でなく、特別収蔵品展である。サブタイトルは「武士の時代の名宝」であり、中世近世の武家関連のものを県内各地から重要文化財、県文化財を含めて83種88点集めた。どれも名品ばかりである。

大きく四つのテーマに分かれる。第1章は装い、備えで甲冑、刀剣、馬具などである。太刀、刀類が12口並んでいるのが目を引く。第2章は花押と印章であり、足利尊氏、徳川家康、武田信玄ほかの古文書である。地元らしく長楽寺文書、新田家関係文書が主である。釈文がないのが惜しい。第3章は祈り、願いであり、仏像、僧侶の肖像画が並ぶ。長楽寺、妙安寺などからの出品である。第4章は潤い、彩りで、絵画の他に孝顕寺の前橋城主松平氏歴代の肖像画がある。泰西王侯図や伝徳川義季像も出ている。なかなかこれだけのものを一度に見る機会はないので大変良かった。グランドオープン特別展とかのほうが相応しかったように思う。刊行物は資料リスト、ist第3号というパンフレットしかない。図録が無いのがもったいない。

大規模なリニューアルということで、展示室の配置も大きく変わった。常設展示室が広くなった。最初の一部屋で東国古墳文化を紹介しており、一番力の入っている時代のようである。また、導線が今までと異なり、右回りのルートを通るようになった。企画展示室も倍ぐらいの広さになった。なお、全体に照明があかるくなった感じがした。ミュージアムショップでは県内の出版物も購入出来る。高崎市に所在する県立公園群馬の森の中にあり、近代美術館と隣接している。もともと旧陸軍の火薬製造所があった所であり、その時の土塁なども残っている。バス便はJR高崎線高崎駅か倉賀野駅から出ている。

<h3>2017年7月15日から8月31日まで開催</h3>

見学日
2017年8月26日
2017年9月3日