今秋の栃木県は県立博物館の宇都宮氏の展示に関連していくつかの館で企画があると聞いている。今回の『武茂氏と松野氏展』はその前哨戦といえる。友人と一緒に宇都宮市へ行ったあと見てきた。サブタイトルに「ふたつの宇都宮氏」とあるように当地を支配する武茂氏と松野氏は宇都宮氏の有力な支流であった。しかし、後に属した佐竹氏の秋田移封に従ったため、地元には遺構、伝承以外に関係するものは少ない。展示も古文書を含めて複製、パネルがほとんどである。計34点である。当地で家臣の末裔に残る下賜品や秋田における関連する遺品は無いのであろうか。マイナーなテーマで興味深い展示であるが、広範囲な調査の後に企画して欲しかった。なお、江戸期に大名を輩出した三河大久保氏は武茂氏からの分かれということを初めて知った。刊行物はパンフレット、資料一覧がある。
資料館はいかにも従前の郷土資料館の展示風景であり、町の通史や地元の小砂焼などが常設展示されている。同じ敷地内に馬頭広重美術館があり、そちらの方が圧倒的に有名である。武茂城址の南麓に位置する。交通手段はかなり悪く、JR東北本線氏家駅からバス便があるらしい。
<h3>2017年7月29日から9月3日まで開催</h3>
- 見学日
- 2017年8月26日
- 記
- 2017年9月2日