千葉市立郷土博物館見学記5

今年最初の見学記である。タイトルは『関東の30年戦争享徳の乱と千葉氏』、サブタイトルは「宗家の交代・本拠の変遷、そして戦国の世の胎動」と共に長い。関東の戦国時代の始まりである享徳の乱(1454~83)における下総千葉氏のの動向がテーマである。大きく乱の前、乱の経過、その後に分けられる。乱の前では本拠としての千葉城及び鎌倉公方配下の千葉氏を取り上げている。千葉城址出土の瀬戸狛犬片、宝篋印塔などが出ている。乱の経過では千葉氏本流が滅び、一族の馬加氏が取って代わるまでが述べられている。千葉胤直安堵状、足利成氏書状、馬加城跡出土かわらけなどが出ている。乱の後では千葉氏宗家が馬加氏から一族の岩橋氏に変わったこと、本拠が本佐倉城(酒々井町、佐倉市)へ移ったことが上げられている。その前に本拠が平山城(千葉市)に置かれている。但し、本格的なのか一時的なのかは分からない。また、本来の嫡流であった千葉氏が武蔵へ移り、武蔵千葉氏となったことも取り上げている。本佐倉城跡出土遺物、千葉胤富書状などが展示されている。エピローグでは千葉氏の伝承も紹介している。実物も出ているがパネルを多用している。千葉県内だけでなく広く全国からの出来事もパネル写真で紹介している。刊行物は図録、展示資料一覧、釈文がある。千葉市埋蔵文化財センターの『幸福を祈る』も同時開催していた。2026年は千葉開府900年なので、これからも千葉氏関連の展示、イベントが続くかもしれない。

 

 

2024年1月16日から3月3日まで開催

2024年1月17日見学

2024年1月26日記

追記 見学記4でなく5でした。訂正よろしくお願いいたします。