タイトルは『関東の雄 北条氏綱』であり、小田原北条氏誕生500年と銘うっている。氏綱(長享元年・1487~天文十年・1541)は小田原北条氏(後北条氏)初代伊勢宗瑞と三代氏康の間に位置する。小田原城を本拠にしたり虎印判を初めて使ったりしたが、何といっても鎌倉北条氏の正統な後継を表す小田原北条氏への改姓が最も大きな事績であろう。大永二年(1523)のことである。それから500年目が今年である。展示は計48種からなる。氏綱の生涯を年代順におっており、最後の方では寺社や文化も取り上げている。初めに初めに北条氏綱像、伊勢宗瑞書状、北条家虎印判状などが並ぶ。次にかわらけ、灰釉皿等の出土遺物が出ている。十六世紀のものである。続いて北条氏綱判物、今川義元判物などが展示されている。寺社の造営では足利義氏判物、北条氏綱社領寄進状など、氏綱と文化では刀剣、兜などが出ている。最後は北条氏康像などで終わっている。小田原北条氏を有数の戦国大名にのし上げ、また関東管領にも就任したタイトル通り関東の雄であった。小田原城内で展示が行われたことに意義がある。ただ、模造、写真がやや多かったのは物足りなかった。相変わらず一方通行的にしか見学出来ないのは不便である。刊行物は図録がある。
2023年11月3日から2024年1月14日まで開催
2023年11月24日見学
2023年12月3日記