焼津市のあとは静岡市である。この館は今年一月に開館した新しい博物館である。今までも見学する機会があったが、日時予約制が続いていたので初めての訪問となった。駿府城三の丸址に建てられた館に相応しくタイトルは『駿府城と徳川家康』である。計46種で構成されている。大きく三章に分かれる。第1章は駿府城以前の時代であり、駿河の戦国大名である今川氏を対象としている。駿府城址の下から出土したこの時代の遺物や江尻古城図などが出ている。第2章は家康、駿府に城を築くであり、天正十三年(1585)の築城から天正十八年に江戸へ移るまでである。家康朱印状、金箔瓦などが出ている。第3章は家康、駿府を首都とするであり、この章がスペースの半分を占める。将軍職を秀忠に譲って大御所となったのちの慶長十一年(1606)から元和二年(1616)に亡くなるまでの期間である。大改修が行われ新しい天守も築かれた。展示品は特に城絵図が目立ち8点を数える。本丸天守台跡之図は珍しい。他に福島正則書状、青銅製鯱などがある。相対的に古文書が少ないように感じた。企画展示室は一部屋のみで思っていたより小さかった。大規模な企画展には不向きである。刊行物は図録と展示資料一覧がある。
館は三階建てである。基本展示室(常設展示室)が二階と三階にあり、戦国大名今川氏から始まり、近代までを対象としている。企画展示室は三階にある。一
階には戦国時代末期の道と石垣の遺構が発掘で出たままの状態で展示されている。他にミュージアムショップもある。一階は無料のゾーンとなっている。駿府城址の一画にあり、東御門、巽櫓、坤櫓、天守台発掘調査現場等もすぐである。館の三階にある展望ラウンジからもよく見れる。駿河一宮である静岡浅間神社には歩いて行ける。交通はJR東海道本線静岡駅から徒歩15分、バス便もある。また、静岡鉄道新静岡駅から徒歩8分である。
2023年10月28日から12月10日まで開催
2023年11月15日見学
2023年11月27日記