粕川歴史民俗資料館見学記3

 友人と群馬県内を回った。タイトルは『松平大和守家臣稲葉家と前橋』、サブタイトルは「稲葉家文書から見た前橋の江戸から明治」である。松平大和守家は結城秀康から始まる大名家で各地を転封しながら寛延二年(1749)前橋へ移ってきた。途中約100年川越を居城としたが、慶応三年(1867)再び前橋に戻ってきた。その家臣の稲葉家が所蔵していた資料が子孫から前橋市に寄贈となった。展示はその中からの文書群が中心となっている。稲葉家は大和守絵初代からの家臣であり幕末まで続いた。稲葉家としては八代から十八代までとなる。加増宛行状、藩主礼状、病気見舞状など藩主とのやり取りがよく分かる。上級家臣の文書がこれだけまとまっているのは貴重である。最後の方では近代の稲葉家に関する資料がある。当主の写真、印鑑などが出ている。地味ではあるが、ここだけでしか出来ない展示である。刊行物は20ページのリーフレットが無料で配られている。稲葉家文書の全体が分かる史料集の刊行を待ちたい。

2023年10月28日から2024年2月25日まで開催

2023年10月29日見学

2023年11月6日記

画像はリーフレットの表紙。