三井記念美術館見学記3

 ドラマ関連の展示は数えきれないが、今回のが一番公式なものである。タイトルは『どうする家康』である。導入部の展示室1はすべて久能山東照宮博物館所蔵である。脇差、天目茶碗、洋時計などが出ている。展示室4は一つの壁面一杯に大日本五道中屏風が占めている。他に家康誕生の天文十一年(1542)から豊臣大名徳川氏としての駿府城時代の天正一八年(1590)までを対象に松平清康像、德川十六将肖像画、長篠合戦図屏風などが出ている。展示室5は慶長十二年(16079までの江戸城時代を松平家忠日記、江戸古図等で紹介している。小さな展示室6は判金請取状、道中書付などの家康の自筆文書を展示している。最後の展示室7は大御所時代及び神としての家康を対象に大坂冬の陣図屏風、東照大権現像、金陀美具足などが並んでいる。

 甲冑、古文書、肖像画、刀剣等々家康に関する代表的なものが万遍なく出ており見応えがある。場所をとる屏風もいくつか見ることが出来た。一つ気になったのは日光東照宮、德川記念財団がほとんど関わっていないことであった。込み入った事情があるのだろう。巡回展であり、7月に岡崎市美術博物館、11月に静岡市美術館で開催予定である。3館で総数276件であるが、館によってかなり変わる。また、今回も前期後期で随分展示替えがある。刊行物は3館共通の250ページの図録とこの館のみの出品目録がある。展示品と図録とは全く配列は一致していない。

2023年4月15日から6月11日まで開催

2023年4月25日見学

2023年5月4日記