嵐山史跡の博物館見学記5

 毎年この館では秋に中世の企画展を開いている。今年はやはりテレビの影響でタイトルは『武蔵武士と源氏』、サブタイトルは「鎌倉殿の時代」である。埼玉県を代表する武蔵武士の一人の畠山重忠の居た城址(あくまで伝であるが)に建つ館なので、期待して見に行った。計76種の出品数である。最初の方には平泉、鎌倉、そして県内の河越館址、大久保山遺跡の出土遺物がずらりと並ぶ。続いて重忠のコーナーになる。伝承を含めて平沢寺出土遺物、懸仏、伝重忠願文などが出ている。次のコーナーは武具の展示であり、大鎧威毛、白星兜鉢、出土された栴檀板、鮫皮鞘等珍しいものが展示されている。最後は重忠以外の人物の紹介であり、源頼朝、源範頼、比企氏、安達盛長を取り上げている。例年以上にバラエティーに富んだいた構成であった。併設して比企歴史の丘巡回文化財展として『武蔵武士と比企』も開かれている。県内の武蔵武士の野与党、児玉党、丹党などをパネルを主に紹介している。常滑甕、渥美産大甕、かわらけ等の出土遺物も出ていた。なお、ロビーでは『比企城館跡群写真展』も開かれている。刊行物は図録と出品リストがあり、巡回展に関しては8ページの無料のリーフレットが配られている。

2022年10月1日から11月14日まで開催

2022年10月23日見学

2022年10月31日記