台東区立中央図書館郷土・資料調査室見学記

 この館の展示はたびたび見に行っているが、企画展といっても図書館の一画のみのコーナー展のようなものである。あえて見学記でもないが、しばらくこれといった展示も無いので記すことにした。タイトルは『台東区の古代・中世』である。多くのパネルの中に文献をいくつか配している。古代・中世の通史でなく6つの伝承や物語を取り上げている。駿馬塚では後三年合戦絵巻が出ている。今も馬頭観音、石造層塔が祀られている。石浜城では隅田川叢誌、武蔵落穂集がある。未だに比定地が考えられるのみである。妙亀塚は紫菜 浅草土産、東都本化道場記が出ている。今は公園となっており、弘安十一年(1288)の板碑が上に載っている。図書館らしく再校江戸砂子、江戸名所図会などを多用している。調査室は図書館の一部であり、展示も空きスペースを利用したものにすぎない。刊行物は展示品リストがある。

 図書館は生涯学習センターの中にある。センターはスタジオ、ホールなどの総合施設であり、図書館内には池波正太郎記念文庫も設けられている。センターの中に常設の資料館があればよいのにと思う。東京メトロ日比谷線入谷駅から徒歩8分である。カッパ橋道具街のはずれにある。浅草にも至近距離であり、少し足を延ばせば上野にも行ける。

 

 

2022年6月17日から9月11日まで開催

2022年7月1日見学

2022年7月5日記