この館へは先月にも行ったばかりである。タイトルは『浄土の庭』、サブタイトルは「称名寺境内国史跡指定100年」である。従来の企画展よりも規模が小さいが、そのことについては後述する。最初にサブタイトルにみるように大正十一年(1922)の指定時および1972年の追加指定時の関連資料がある。指定史蹟関係書類、追加指定理由書などである。次にタイトルの浄土関係でThe Thousand Buddhas、合戦絵巻などが出ているが、北条実時像、称名寺絵などが複製なのは少し物足りない。続いて考古の関連である。称名寺再造営時の反橋部材、境内出土品が出ており、特に前者は一番の見所である。最後は鎌倉幕府滅亡と鎮魂の章で東勝寺跡出土かわらけ、元弘三年銘五輪塔地輪などが展示されている。今回は企画展示室の三分の二を使っている。残りの三分の一はというと同時開催の『令和3年度横浜市指定・登録 文化財』である。紺紙金字法華経8巻とオシャモジサマ信仰(鉄町のオシャモジサマ、本法寺のオシャモジサマが中心)が二本柱である。なお、展示室の一画に小机城址コーナーが設けられている。今年の発掘の成果(かわらけ1点のみ)と1964年、1965年の発掘の成果(常滑片、瀬戸片など)である。特に後者の学習院大学輔仁会史学部の考古学調査日誌4枚が貴重である。また、ロビーでは『記念物100年』(パネル展)も開かれている。刊行物は企画展2つを合わせた出陳資料目録のみである。
2021年12月4日から2022年1月10日まで開催
2021年12月12日見学
2021年12月16日記