神奈川県立歴史博物館見学記3

 今年最後の大物の見学記である。油断していて閉幕間際に見に行った。タイトルはずばり『早雲寺』、サブタイトルは「戦国大名北条氏の遺産と系譜」である。開基500年記念の展示である。大きく早雲寺そのものと小田原北条氏た狭山藩北条氏との関わり合いである。箱根町にある早雲寺は大永元年(1521)に伊勢盛時(北条早雲)から始まる北条五代の菩提寺として創建され、以後高僧が相次ぎ隆盛した。その前史として霊場としての箱根があった。天正十八年(1590)の小田原城攻めで焼け寺宝も散逸し、一時衰退した。その後、徐々に復興し、特に小田原北条氏の後継を名乗る狭山藩北条氏(一万石)や玉縄北条氏の末裔の援助のもと旧観を取り戻した。現在も多くの宝物を蔵している。展示品は総計131件を数え、目につくのは肖像画と古文書である。肖像画は有名な五代のものの他に下絵や写しが多数でているのは壮観である。一番最初の三代のものが一旦、寺を離れたことは初めて知った。ただ、数ヶ所に離れて展示されていたのは見ずらかった。古文書は北条氏関係では五代の他に北条氏照、北条氏規など多数出ており、伊勢宗瑞書状は四通も並んでいる。釈文が無かったのは残念である。出土品としては韮山城址、小田原城址、八王子城址のもの多数出ている。他にも書画や歴代の住職の像など多彩な展示となっている。最後の方では早雲寺を盛り立てた狭山藩北条氏が章がある。腹巻、三鱗紋陣羽織、豊臣秀吉朱印状などが出ている。関連する寺院からも多くの出展があり、豊富な内容であった。刊行物は図録と出品目録がある。図録には総論を含めて論考が6本載っている。コラムも充実している。肖像画についても詳しい考察が述べられている。なお、古文書の釈文はこちらにも無かった。

2021年10月16日から12月5日まで開催

2021年11月30日見学

2021年12月8日記