この館には数回行っているが、見学記は初めてである。タイトルは『中世青梅の城館跡』、サブタイトルは「静かに眠る杣保の城」であり、見に行かないという手はないであろう。2018年に学習院大学から昭和四十年代の発掘調査資料を移管されたことがきっかけである。滝山城址、八王子城址など全国的に著名な城址がある八王子市に比べて青梅市の城址はあまり知られていない。対象は勝沼、辛垣、楯、桝形山、御岳、今井、藤橋の7城址で、それぞれに遺物、写真パネル、縄張図で構成されている。写真は現状とか1980年代の発掘風景が主である。図は『資料青梅の中世城館跡』『東京都の中世城館』から写している。他に甲冑、鞍、師岡古城墟古絵図などがり、古文書も数点出ている。但し、原文書は並木家中世文書の北条氏照朱印状2点である。中世城郭をメインにした展示であり、地味だがよくまとまっていた。刊行物は展示資料目録の他に見開きのパンフレットのみである。
博物館は通史を紹介する常設展示室一部屋と企画展示室にみである。常設展示は1974年開館当時とあまり変わっていない感じがする。JR青梅線青梅駅からバスもあるが、徒歩でも15分である。多摩川を鮎美橋又は柳淵橋で渡った釜の淵公園にある。敷地内に重要文化財の旧宮崎家住宅も移されている。
2020年8月15日から2020年11月29日まで開催
2020年9月22日見学
2020年9月27日記