横浜都市発展記念館見学記

 横浜市新市庁舎完成記念の二番目はタイトルが『近代横浜を掘る』、サブタイトルは「洲干島からひろがる都市のすがた」である。1月から4月までの開催予定がコロナの影響で延びた。明治期が対象であり見るだけにしようと思ったが、市博のよりも見応えがあったので紹介する。近世から洲干島弁天などがあって賑わっていたようである。一口に洲干島遺跡と言っても大岡川護岸、航路標識管理所、本町小学校、横浜銀行集会所、原合名会社アパート、横浜商品倉庫弁天橋出張所、横浜貿易新報社などに分かれており、展示ではそれぞれの地区からの遺構パネル、遺物が並んでいた。遺物は国外産、国内でも県内産、県外産と多種多様であった。関東大震災で全て壊滅したが、その後、洲干島がどうなったかの説明がなかったのは物足りなかった。また、横浜の近代遺跡の発掘の代表例として山下居留地遺跡、山手120番館遺跡、北仲通一丁目遺跡の三ヶ所を取り上げている。市博の展示よりも洲干島遺跡を細かく分類しているのが良かった。刊行物は図録と展示資料目録がある。

 記念館は横浜ユーラシア文化館と一つの建物に同居しており、両方見ることが出来る。四階が記念館の常設展示室、二階が文化館の常設展示室、三階が両館の企画展示室となっている。四階は関東大震災後の都市としての横浜を取り上げており、二階はユーラシアの歴史、文化などの資料を展示している。交通はみなとみらい線日本大通り駅の真上である。JR根岸線関内駅からでも徒歩10分である。時間に余裕があれば周辺の近代遺産巡りも出来る。

2020年7月23日から9月22日まで開催

2020年8月9日見学

2020年8月16日記