今年は北条早雲公顕彰五百年ということでいろいろなイベントが開かれている。今回の『伊勢宗瑞の時代』もその一環である。北条早雲の時代としないで伊勢宗瑞の時代としたのは小田原市のこだわりである。最初に肖像画が7点ある。うち実物は館蔵の2点のみであとはパネルである。次に宗瑞発給の文書である。禁制、判物など計22点出ているが、全てパネルである。せっかくの展示なのだから実物もいくつか欲しかった。また、花押の変遷など詳しい解説も欲しかった。次に何が出てくるかと思ったら出土遺物のオンパレードである。大きく武蔵、京都、伊豆、小田原、韮山の順である。武蔵の領国化は宗瑞後のことであるが、、五十子陣(東五十子遺跡)、鉢形城を取り上げている。なぜか沼津市長浜城が次に続き京都の相国寺旧境内遺跡となる。その後は伊豆侵攻であり、興国寺城、堀越御所(御所ノ内遺跡)、鎌田城、宇佐美城、河津城が並んでいる。最後はご当地の小田原城と終焉の地である韮山城である。圧倒的な出土遺物の量であるが、かわらけの比較などの説明は少なかった。なお、関連して同名のシンポジウムが2回開かれている。ただ、今は北条早雲(伊勢宗瑞)の方が通りが良く、伊勢宗瑞(北条早雲)となるのはまだ先のことであろう。刊行物は図録があり、展示をおぎなう解説があって参考になる。
2019年10月12日から12月10日まで開催
2019年12月1日見学
2019年12月12日記