長野県立歴史館見学記

 友人と松本市に行った後に寄った。タイトルは『戦国 小笠原三代』、サブタイトルは「長時・貞慶・秀政」である。小笠原氏というと礼法で著名であるが、もともとは信濃守護であり近世には大名を5家輩出した名門である。今回は戦国時代の当主である3名を取り上げている。それぞれが周りの戦国大名に翻弄されてきた。長時は武田信玄との戦いに敗れ信濃を追われた。徳川家康に支援をうけた貞慶は松本周辺を奪還したが、後に豊臣秀吉に属した。秀政は家康の娘婿になってからは有力な譜代大名になった。但し、秀政は大坂夏の陣で戦死している。展示品は103種、110点である。古文書が多くを占め、県内のみならず上杉家文書、越後文書宝翰集など全国各地から集めている。制札もいくつかある。特に同じ文面の豊臣秀吉禁制と制札は貴重である。古文書以外は足利義輝画像、豊臣秀吉画像などであり、甲冑は小笠原政着用二枚胴具足1点のみである。出土遺物が出ていなかったのは以外であった。刊行物は図録と史料翻刻が出ている。図録には論考11、コラム9そして発給文書一覧などが載っており充実している。

博物館には県内の通史を展示する常設展示室がある。科野の里歴史公園内にあり、森将軍塚古墳、科野のムラ森将軍塚古墳館なども点在する。交通はしなの鉄道屋代駅から徒歩25分とやや不便である。

2019年9月7日から10月14日まで開催

2019年9月21日見学

2019年9月29日記