仲間内で評判なので見ることにした。この館は何回か行っているが見学記は初めてである。タイトルは『合戦図』、サブタイトルは「もののふたちの雄姿を描く」である。注意点としては美術館展示室(私立)と蓬左文庫展示室(市立)が一続きであり、分離した展示の場合と同一テーマの展示の場合があって今回は後者である。ルート的には文庫のほうからである。2部屋あり、戦国期の屏風、絵巻が並ぶ。制作は江戸時代である。21種、参考14種計35種である。参考は火縄銃、瓦などであり、正規のリストに入れてもよいと思った。屏風は関ケ原合戦、長篠合戦、賤ケ岳合戦など著明なものばかりであり、絵巻も同様である。美術館の企画展示室は3部屋あり、初めの部屋はメインである。鎌倉時代から室町時代が主となる。制作は鎌倉時代から江戸時代までと幅がある。36種、参考11種計47種である。こちらの参考は太刀や重藤弓などである。屏風よりも絵巻のほうが数が多い。平治物語、前九年合戦、蒙古襲来などである。
本来なら時代順に並べたほうが分かり易いが、部屋の大きさから逆になっている。屏風は大きいものがあるので、広い展示スペースが必要である。その点で美術館、文庫は余裕のある展示が出来た。全国から集めた優品揃いなので、絵画資料に疎い私でも大変参考になった。一つの屏風、絵巻のみでも十分に研究素材に成り得ると思った。刊行物は図録と展示リストがある。
美術館は徳川御三家筆頭の尾張徳川家に伝わった品を中心に収蔵している。内容的には博物館機能も合わせ持っている。規模、収蔵品とも私立ではトップクラスである。常設展示室は6部屋あり、これだけ見るのにも相当な時間がかかる。館内にはミュージアムショップ、コーヒーラウンジ、食事処などもある。隣接して大名庭園である徳川園もある。最寄駅はJR中央本線大曽根駅から徒歩10分である。名古屋駅、栄からはバス便も多く出ている。
2019年7月27日から9月8日まで開催
2019年8月30日見学
2019年9月11日記