三井記念美術館見学記2

 タイトルが『円覚寺の至宝』とあれば鎌倉に関心のある私としては必見の展示である。サブタイトルは「鎌倉禅林の美」である。展示室は大小7つあるが、その大きさがバラバラなのが変わっている。展示室1は開山の無学祖元の遺品を収納する開山箪笥からのものである。11点の合子や盆が四方向から見れるのはうれしい。展示室2は小さな部屋であり、青磁袴腰香炉が1点のみ置かれている贅沢なレイアウトである。展示室3は大用国師・釈宗演老師大遠諱関係の特別展示であり11点を数える。展示室4はメインの部屋の一つであり、彫刻が多く並んでいる。テーマとしては円覚寺の本尊の宝冠釈迦如来像や舎利殿などを取り上げており、蘭渓道隆、無学祖元の像や墨蹟類も9点出ている。展示室5には仏日庵公物目録を主として青磁器、漆器が並ぶ。小さな展示室6はパネルの絵図3点である。最後の展示室7はもう一つのメインの部屋であり、彫刻、絵画が多く出ている。夢窓疎石他の頂相が目立つ。円覚寺および塔頭その他の関連寺院からの出品がほとんどであり、三井記念美術館からは1点のみというのが以外であった。都内でこれだけの鎌倉の文化財を見ることは稀なので大変良かった。ただ、鎌倉における円覚寺の位置付けや禅宗における位置付けなどを展示で示すのは難しいかなとも思った。刊行物は図録と出品目録がある。

2019年4月20日から6月23日まで開催

2019年5月22日見学

2019年5月31日記