品川区立のこの館には数回行っているが、最近は興味のあるテーマがなかったので見学記は初めてである。タイトルはずばり『明治維新』、サブタイトルは「そのとき品川は」である。明治150年、戊辰150年の一連の展示も見れるものは見たのでこれが最後かもしれない。キーワードは品川宿である。東海道の宿場町である品川では御殿山に置かれた外国公使館建設に関してのトラブルがあった。同じ東海道筋で起こった東禅寺事件、生麦事件、また桜田門外の変などの影響も大きかった。それらに関する絵画、史料が並べられている。ただ、品川宿に住む人々がこの時期にどのような行動をとったかの古文書、文献は少ないように感じた。最後の方では一年余設置された品川県についての展示がある。予定通りにいけば県庁が品川宿のすぐ近くに県庁が置かれたので、今の東京の姿も少しは変わっていたと思う。特別展示室以外にもコラム展示として常設展示室の一画に坂本龍馬関連の展示がある。この地には土佐藩抱屋敷があった。品川台場(第一)遺跡の地杭や品川台場(第五)遺跡の土塁土層断面標本が目新しい。また別室(小講堂)では尊王攘夷派の僧侶である小自在庵南園の事績を紹介している。ここだけで21点が並べられているが、もう少しこの僧の経歴を知りたかった。刊行物は図録と出品資料目録がある。
歴史館は区の通史を見ることのできる常設展示室もある。また、旧家の敷地を利用しているので庭園なども残っている。歴史館へはバス便の他にJR京浜東北線大森駅から徒歩10分、大井町駅から徒歩15分である。大森駅からだと途中大森貝塚の公園(大田区、品川区一つづつ)に寄ることも出来る。
<h3>2018年10月7日から12月2日まで開催</h3>
- 見学日
- 2018年11月20日
- 記
- 2018年11月30日