自由民権資料館見学記

明治150年関連の展示のうち、地域密着型なのが今回の『幕末・維新期の町田』である。サブタイトルは「激動の時代を生きた人びと」とある。文書、史料が多く、地図、古写真、浮世絵がいくつかあるという展示内容である。町田地域とその周辺はほとんどが天領であるが、それ故に江戸からの情報は素早く伝わっている。ペリー来航や桜田門外の変そして洛中騒動などである。これには村役人、豪農の情報網が発達していたことや教育レベルの高さなどが関係している。資金上納や梵鐘供出など他地域と同様の負担もあった。この地域に特徴的なことに農兵隊の結成がある。木曽農兵隊、小野路農兵隊、下小山田農兵隊等であり、印、陣太鼓、火薬入れなどの実物も展示されている。また、八王子千人同心も数人居住しており、幕府軍として各地に出兵した。江戸から逃れてきた旗本の家族に関する文書も数点ある。刊行物は図録はないが、リーフレットと主要なものが載っている翻刻文が出ている。

資料館は町田市立で館名の通り自由民権に特化した展示をしており、常設展示室で明治六年(1873)から二十六年(1893)までの町田市域とその周辺の自由民権運動を通覧出来る。今回はその一画で『明治の布達・布告』のコーナー展も行っていた。なお、この場所は民権家村野常右衛門が開いた文武道場凌霜館の跡地である。小田急電鉄小田原線鶴川駅または町田駅からバス便がある。

<h3>2018年10月6日から11月25日まで開催</h3>

見学日
2018年10月8日
2018年10月15日