豊橋市美術博物館見学記

城郭セミナーとは直接関連ないが、歩いて3分のところで『みかわの城』が開かれていた。合間をぬって慌ただしく見てきた。サブタイトルは「吉田城と天下人」である。大きく3章に分かれる。第1章は三河の城である。戦国、松平、家康、秀吉、近世の順で、遺物を中心として平面図、写真で構成されている。特に多様な瓦を見応えがある。戦国期は牧野城、田原城、吉田城など、近世は吉田城、岡崎城、西尾城などが取り上げられている。流れとして清洲城、浜松城も出てくる。第2章は城絵図からわかる吉田城で、7枚の吉田城絵図が中心となる。他に浅野文庫諸国古城之図から三河の城を抜き出して、現状写真と合わせて展示している。もちろんパネルだが、全177枚のうち三河は56城を占めており国別では最も多い。第3章は補章として吉田城をめぐる大名たちである。文書が主で16点、史料が6点である。今川義元、徳川家康、池田輝政などメジャーな名もある。文書には釈文も付いている。規模内容から有料でもおかしくはないので、無料なのが有り難かった。刊行物は16ページの無料の冊子、展示資料目録がある。冊子は第1章、第2章しか載っていない。ぜひ後日でいいから図録を作って欲しい。

館名のように美術と博物の両方の展示があるが、他の市町村立の博物館のような通史の常設展示はないようである。豊橋公園の一画にある。吉田城址の主郭を中心とした公園であり、復興鉄櫓、輝政期の石垣など見所が多いのでゆっくり回りたい(戦前には陸軍歩兵第十八連隊が置かれていた)。豊橋駅から豊橋鉄道市内線豊橋公園駅下車3分である。豊橋駅から歩くと25分かかる。

<h3>2018年7月21日から9月9日まで開催</h3>

見学日
2018年8月5日
2018年8月16日