二川宿本陣資料館見学記

橋市で開かれた城郭セミナーに参加した。よい機会であったので朝一番駆け足で『とよはしの旗本たち』を見ることにした。豊橋市域は大部分が吉田藩領であるが、旗本領も数家ある。今回はその内の大崎領主中島与五郎家と高塚領主戸田八郎左衛門家を取り上げている。中島氏は交代寄合、水軍統括、大名板倉氏の係累という異色の旗本であり、607石を領していた。計47点の展示品のうち大崎八幡社、若宮八幡社関連のものが多く、中でも棟札が11点あるのが目立つ。板倉氏とは深い繋がりがあり、養子を貰ったりしている。また、中島氏の祖が公家の四条氏から出ていることから、明治に入って四条に改姓した。戸田氏は田原藩主戸田氏の分家であり、600石の旗本であった。皇女和宮が下向した際に警護したように番方であった。計54点のうち甲冑、陣羽織など武人らしい品もある。明治に入って描かれた10代忠道、11代忠昭の肖像画は珍しいといえる。刊行物は図録と展示資料目録がある。

豊橋市立である資料館は文字通り二川宿の中心にある。二川宿や本陣など宿に特化した常設展示がある。付属施設として二川宿本陣馬場家と旅籠清明屋があり、往時の姿を残している。以前にこれらは見たことがあるので、今回は時間の関係でパスした。初めてならゆっくり見学することをお薦めする。JR東海道本線二川駅から徒歩10分である。

<h3>2018年7月14日から8月26日まで開催</h3>

見学日
2018年8月4日
2018年8月13日