久しぶりの鎌倉行である。二ヶ所の展示を見たが、一ヶ所はたいしたことはなかったので、『長谷寺・仏教美術の至宝Ⅳ』のみ記すことにする。「考古資料編」とあり出土遺物がメインとなる。二階建て一部屋づつ計二部屋の小さな博物館である。第1章の戦時下・戦後初期の発掘は石造物が主で7点、うち板碑が5点(2点は一階)。特に五輪塔陽刻板碑が珍しい。第2章は昭和の発掘であり、銅製品6種(1点は一階)65点。第3章は平成の発掘であり、土師器、須恵器など4種13点である。刊行物は出品目録の載ったパンフレットがある。
博物館は長谷寺の中にあり、長谷観音で知られる本尊の十一面観世音菩薩像を安置する観音堂に隣接している。2015年に以前の宝物館をリニューアルした。一階は常設展示室であり、観音三十三応現身立像が主となる。二階は企画展示室であるが、6点の懸仏は常設されている。寺域内という制約があるが、改修前のほうがもっと広かった覚えがある。江ノ島電鉄長谷駅から5分である。勝手な注文であるが、寺に入るのに300円、ミュージアムに入るのに300円かかる。割引の共通券があればよいと思うが。
<h3>2018年4月27日から7月8日まで開催</h3>