常磐線を戻って千葉県に入った。次に見たのは『本土寺と戦国の社会』である。博物館は久しぶりである。日蓮宗本山の本土寺といえば一般的にあじさい寺で有名であるが、私たちにとっては何と言っても本土寺過去帳であろう。タイトルにあるように大きく本土寺と戦国の社会に分かれる。前半は日蓮聖人、歴代の住職の書を初め本土寺の寺宝が並ぶ。小金城主高城氏との関連にも触れられている。また、三好長慶や松永久秀の書状もあり、中央とも関係を持っていたことが分かる。本土寺過去帳は複製が出ており、それに載っている猿楽師、鍛冶の職人や合戦の戦死者のことに関する出品物が展示されている。中馬場遺跡の出土遺物や武具はこのコーナーで見ることが出来る。ただ、本土寺過去帳自体のことをもっと、例えば成立過程や写本などを知りたかった。
後半といっても四分の一のスペースだが、15点の古文書が並ぶ。北条氏関連が多いが、今川氏真、足利義氏などもある。なぜか織田信長の文書もある。他に目立つ展示品に根木内城、小金城の模型がある。小西城址(大網白里市)からの出土遺物が見られたのも良かった。総数140種であり、、出土遺物、史料、武具、文書と一通りのものが出ており、バランスの良い展示であった。刊行物には図録の他に資料リスト、釈文集がある。
博物館内には松戸市の通史の常設展示室もある。21世紀の森と広場の中にあり、県立西部図書館、森のホール21もすぐ近くにある。バス便があるが、歩いてもJR武蔵野線新八柱駅から15分で着く。
<h3>2017年9月23日から11月12日まで開催</h3>