昨年は徳川家康没後400年ということで、全国各地で多くの関連の展示会が開かれた。家康は元和二年(1616)没なので、本来は今年が400年記念の年なのである。いくつか展示会があったが、今回の『徳川家康展』はその中でも最大最終かもしれない。
大きく3つのセクションからなっており、第1章は誕生から死去までの略歴である。埼玉県との関わりあいにもふれているが、鷹狩図など数点を展示しているのみでもう少し詳しく紹介してほしかった。第2章は没後から日光東照宮へ祀られるまでのことを、長楽寺や喜多院の什宝などで構成している。第3章がこの展示のメインであろう。埼玉県内に残る家康(東照大権現)の肖像や木像などが多数並べられており、所蔵者の寺社の紹介もされている。個人所有を含めて分かっているだけで76の東照宮があるそうである。刊行物に図録と資料一覧があり、図録には東照大権現像や県内の東照宮についての詳しい論考があり参考になる。
博物館は大宮公園の一画にある。県立だけあって常設展示は充実している。館名通り、歴史と民俗の二本立てである。東武鉄道野田線大宮公園駅から徒歩5分である。時間があればJR大宮駅から武蔵一宮の氷川神社をお参りして大宮公園内を通るコースがおすすめである。
- 見学日
- 2016年11月3日
- 記
- 2016年11月20日