三井記念美術館見学記

博物館と美術館は原則的には理念、展示物などの差異による。しかし、博物館で絵画を並べたり、美術館で出土遺物を展示したりすることは別に不思議ではない。私はあまり美術館が好きではないというより美術鑑賞が苦手である。そうはいっても都内の美術館で『松島瑞巌寺と伊達政宗展』が開催されているのに見に行かない手はない。

大きく7部屋に分かれる。展示室1は名品をピックアップ。小さな展示室2、3を経由して展示室4は瑞巌寺の部屋であり、今回の目玉である五大明王像が鎮座している。他に本堂障壁画などがある。展示室5は瑞巌寺本堂彫刻欄間である。なんと国宝である。次の展示室6は一番狭い部屋であるが、「中世の松島」のテーマで出土遺物が展示されている。特に板碑が興味深かった。石材こそ井内石であるが、銘文は関東の板碑と同じであり影響の大きさが理解できた。展示室7は伊達政宗の部屋であり、仙台市博物館蔵を主とした政宗の書状、画像、甲冑などが並んでいる。それにしても瑞巌寺と政宗が一度に見られるのはお得な感じがするが、それぞれが単独でも展示可能なので少々詰め込み過ぎの感があった。刊行物は論考の充実した図録と出品目録がある。ただ、図録と実際の展示の順が合わないのは不便である。

この美術館は主に三井家伝来の所蔵品を調査研究する三井文庫の展示施設である。常設展示はなく、年5回の展示替えをしている。三井家の所蔵品の展示と今回のように館外から借りてきたものの展示の二通りがある。館内にはミュージアムショップ、ミュージアムカフェがある。東京メトロ銀座線三越前駅からすぐの三井本館にある。銀座、大手町も徒歩圏内である。

<h3>2016年9月10日から11月13日まで開催</h3>

見学日
2016年10月13日
2016年10月22日

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