遊行寺宝物館見学記3

 関東では数少ないドラマ関連の展示である。清浄光寺(遊行寺)と徳川家との繋がりはあまり知られていない。松平家始祖の松平有親(徳阿弥)が寺の一画に宇賀神社を建立したことによる。徳阿弥は時衆僧であった。家康は天正十九年(1591)に百石の寺領を寄進した。以後代々徳川家の庇護が厚かった。新田系図、徳川家康及家臣像、三河平井記などが出ている。馬五十ひきという伝馬朱印状は慶長十八年(1613)から文久二年(1862)までの25点あり多くは初公開である。これだけ並んでいると見応えがある。足利義昭、佐竹義重、今川義元、武田信玄の文書も展示されている。初公開作品が31点とたくさん見れたのは良かった。ただ、常設展示も数点あり、やや雑多な感じがした。また、個々の品の説明はあるが、大まかな章立ての解説が欲しかった。遊行寺は徳川家、大名と縁が深く、関連する文化財、史跡も多くある。今回の展示でも御三家、大名に関する品が出ていた。刊行物は何も無かった。これだけ初公開作品があるのだから、図録をぜひ作成してもらいたかった。

2023年9月23日から12月18日まで開催

2023年10月8日見学

2023年10月12日記