島田市博物館見学記

 織豊期城郭研究会集会に出席した機会に見学した。タイトルはずばり『諏訪原城』、築城四五O年記念である。最初は遠江を支配した今川氏のことであり、今川義元判物、今川氏真判物などが出ている。次に天正元年(1573)に諏訪原城を築いた武田氏と同三年に城を奪取した徳川氏を取り上げ、德川十六将図幅、武田勝頼書状などが展示されている。次はいよいよ城そのものである。武田氏朱印状、遠州諏訪原古城図、武田勝頼書状などの他に諏訪原城址からの出土遺物、関連して高天神城址からの出土遺物が出ている。最後は徳川氏により牧野城と改名した後のことである。諏訪原城絵図、具足などが出ている。天正十八年には廃城となった短い歴史であった。一通りのものが並んでいるが、発掘結果を含めて城そのものの構造については物足りない感があった。刊行物は図録と展示品リストがある。

 博物館は一階に常設展示室があるが、島田宿、川越しなど近世中心となっている。近くに分館があり、民俗資料室となっている。この一帯は島田宿大井川川越遺跡として1966年に国史跡になっている。約300mに亘り川会所、二番宿などを見ることが出来る。交通はJR東海道本線島田駅からであるが、バス便は少なく不便である。徒歩の場合は30分かかる。なお、諏訪原城址へは隣の金谷駅が最寄り駅となる。

2023年7月1日から9月24日まで開催

2023年9月17日見学

2023年9月22日記