友人と愛知県内の博物館等を回ってきた。最初は豊川市でタイトルは『とよかわ 紋・藩ワールド』、サブタイトルは「元祖豊川のブランドマーク?」である。近世大名の展示というとその藩の通史とか著名な当主とかを取り上げるのが普通であるが、今回は家紋に焦点を当てたユニークな展示となっている。豊川市域を領した大名はなんと十二藩二十家いる。それだけ支配した村々が近世を通じて分散していたことになる。三河だけでなく陸奥、武蔵の大名も領地を持っていたのは驚きである。展示では大岡家(西大平藩)、田沼家(相良藩)、大給松平家(西尾藩)、大河内松平家(吉田藩)、水野家(岡崎藩)の定紋、替紋が入った品々が並んでいる。変わった家紋も多数あり楽しめる。大岡忠相、田沼意次などビッグネームも見受けられる。次に豊川市域出身の大名として二氏八藩を紹介している。牧野家と本多家(伊奈本多家)であり、前者は長岡藩、小諸藩など五家、後者は膳所藩、神戸藩など二家に分かれて幕末まで続いた。こちらも定紋、替紋が入った物が出ている。大名を扱った展示で古文書がほとんどないのは珍しい。刊行物は図録と展示リストがある。
2022年10月8日から11月27日まで開催
2022年10月29日見学
2022年11月6日記