久しぶりの鎌倉である。目的の展示は『戦国時代の鎌倉』、サブタイトルは「もとの都に成してこそみめ」である。サブタイトルは伊勢宗瑞が鎌倉に初めて入った時の和歌からとっている。展示は鎌倉幕府が滅んでのちの鎌倉公方から始まるが、こちらはプロローグであり足利氏満御教書、足利持氏御教書などが出ている。主な対象は戦国時代ということで玉縄北条氏及び後北条氏の文化政策の二本柱である。前者は二代玉縄城主の北条為昌朱印状や城址から出土した遺物が出ている。遺物は室町時代、戦国時代が主である。文化政策では鶴岡八幡宮の修造や相州伝の刀工の庇護などである。北条氏康朱印状、北条氏直書状そして甲冑等が展示されている。中世文書が10通と多く出土遺物がそれほどではないという、考古がメインの館にしては少し変わった展示の仕方であった。常設展示室内では特集展示として出土遺物中心の『北条義時とその時代』も開かれている。刊行物は展示リストの他に企画展示室前で無料の12ページのリーフレットが配られている。図録代わりというよりも概説書の内容である。
2020年12月5日から2021年2月13日まで開催
2021年1月26日見学
2021年2月2日記