昨年から明智光秀関連の展示が岐阜県、滋賀県、京都府を中心として多く開かれているが、東日本はそれほどでもない。関東では沼田市ぐらいである。今回の『新・明智光秀論』、サブタイトル「細川と明智 信長を支えた武将たち」は2020年4月に開催の予定であったが延期になった展示である。財団設立70周年記念でもある。展示替えを含めて計55種である。文書2通を除いて永青文庫蔵である。三階では蘭奢待、伝光秀所用の肩衣を除く22点が文書である。信長から細川藤孝宛が11通を占める。他の武将との連名宛3通を含めていかに藤孝が信長から信頼されていたかが分かる。光秀関連は光秀発給4通、光秀宛(他武将連名も含む)3通ある。本能寺の変についても言及しており、よく知られる細川藤孝・同忠興宛明智光秀覚条々も出ている。文書から信長、光秀、藤孝の関わり合いを見ていこうとする試みであり充実していた。四階は細川ガラシャ、忠興を中心として31種を展示している。藤孝像、同夫人像、忠興像、田辺御籠城図などであり、ガラシャ消息4通が目を引く。二階は茶人忠興に焦点を当て、茶の湯関係の茶碗、茶杓などが出ている。刊行物は出品リストの他に4月の展示予定に合わせていた図録代わりの『季刊永青文庫110』が発行されている。しかし、文書のもの解説であり(計31通を紹介)、できれば全体が分かる図録が欲しかった。
2020年11月21日から2021年1月31日まで開催
2021年1月19日見学
2021年1月26日記