地元の中野区にあるので半年に一回は行っているが、なかなかいいテーマに会うことが出来なかった。今回は明治150年の一つということで初めて見学記を書くことにした。タイトルは『明治維新前後の中野』、サブタイトルは「江戸から東京へ」である。大きく4章に分かれる。第1章は全国一般的な事柄であり、武家諸法度や切支丹訴人制札が出ている。第2章は中野との関わり合いで、御普請金上納や人足、助郷など江戸近郊らしい文書、文献も多い。第3章では地元の名士である山崎家伝来の絵画や陶磁器が並んでいる。伝谷文晁の図や伝渡辺崋山の図などもある(伝と付けているのは良心的)。第4章は明治になってから明治十二年(1879)までを取り上げている。山岡鉄舟一行書、徳川斉昭二行書が目に付く。この頃になると太政官日誌、地券など他館でも見られるような史料が出てくる。西南戦争の浮世絵3点で終わっているのはテレビの影響か。全て館蔵品であるが、初めて目にするものも多かった。刊行物は出展リストのみである。
資料館は区の通史の常設展示室があり、哲学堂の創設者の井上円了の遺品やこの土地を寄贈した旧地主の山崎家の品々は準常設展のように見ることが出来る。また、隣接して山崎家の庭園、書院も残っている。最寄駅は西武鉄道新宿線沼袋駅から徒歩8分である。バスだと中野駅、練馬駅から出ている。
<h3>2018年10月2日から11月30日まで開催</h3>
- 見学日
- 2018年10月24日
- 記
- 2018年10月29日