久しぶりの見学記である。その間にも博物館、資料館は行っているが、これといった展示は無かったので載せなかった。今回のテーマは『赤門展』であり、サブタイトルは「溶姫御殿から東京大学へ」である。赤門は各地域にもあり、赤門寺、赤門通りなどで知られる。いわば普通名詞であるが、全国的には赤門と言えば東京大学の赤門を指す。正式には御守殿門と言う。文政二十年(1827)第十一代将軍徳川家斉の息女溶姫が加賀前田家に輿入れする際に建てられた。現在は重要文化財に指定されている。特別展示室は意外と狭く、9割以上が出土遺物であり、他には絵画、絵図、調度品などである。赤門自体の発掘は行われていないので、出土遺物は溶姫御殿址から出たものである。もう少し赤門の建築のことなど知りたかった。刊行物には図録がある。268ページの厚さがあり、図録というより学術書である。上屋敷、発掘成果、赤門修理など多くの論考が載っており、図録が主で展示は従の感じである。ちなみに博物館と赤門の間は約150Mである。
博物館は東京大学構内の一画にあり、総合研究というように歴史、民俗のみならず古生物、地理、動植物、人類など多方面の分野の研究をしている。これらの常設展示もある。2016年5月にリニューアルしたからであろうか、5年ぐらい前に見学した時よりも特別展示室、常設展示室とも狭くなった感じがした。最寄駅は東京メトロ丸の内線本郷三丁目駅から徒歩6分であるが、JRなど他の駅からもそう遠くはない。
<h3>2017年3月18日から5月28日まで開催</h3>